地域社会と手を携えて仕事をすること:チリの豚肉産業にとって基本的な要素

2023年6月23日

起業のイニシアチブ、高齢者への取り組み、運動の奨励、教育活動や地域発展へのサポートは、豚肉生産・輸出企業が地域社会とつながる様々な分野の中のほんのいくつかの例である。 チリの豚肉産業にとって、操業をする場所の地域社会と確 […]

起業のイニシアチブ、高齢者への取り組み、運動の奨励、教育活動や地域発展へのサポートは、豚肉生産・輸出企業が地域社会とつながる様々な分野の中のほんのいくつかの例である。

チリの豚肉産業にとって、操業をする場所の地域社会と確固たる信頼関係を構築することは共通のテーマである。同産業の企業は、地域社会に好ましい影響を与え、地元の発展に貢献することを目指しながら、相談や会合、共同プロジェクトを通して、積極的に地域社会と関わっている。持続可能性への道のりにおいて、“社会的側面”を、同産業の企業が操業を行い、そして、チリの経済発展に貢献する上で、要となる柱の一つとしてとらえている。

「コエクサでは、地域社会と確固たる信頼関係を築くことが重要であると確信しています。私たちの深い関与は操業するだけに留まらず、施設のある地域の発展に貢献しなければならないと考えています。(中略)私たちはまさしく、透明性、開かれた対話、積極的な聞き取りに基づく長期的に持続可能な関係を目指しています。常設のコミュニケーション・チャンネルや参加メカニズムを通じて、地域社会に、私たちの決定や活動に積極的に関わってもらっています。私たちの発展に地域社会が基本的な役割を果たしていることを認識し、相互利益と協力の関係を築くことが重要だと考えています」と、コエクサの総務・持続可能性部長ロドリゴ・レオンは述べた。

この点についての具体的な例は、“スクール・コミュニティ”という取り組みである。2012年から、コエクサは、チリ、タルカ市のアントゥペウエン学校を支援し、男女子供たちの教育プロセスに寄り添っている。この協力は、両親や保護者、その他スクール・コミュニティのメンバーとの大きな絆を創り出した。同社は、教材を購入するためのプロジェックトをサポートするだけでなく、生徒の通学手段や遠足をトータルに支援している。さらに、2022年から同社は、サン・アグスティン・デル・アルボリージョ農場からわずか10分のところにあるサン・ハビエル市の市立カリサル校にも関わりを広げている。この新たなスクール・コミュニティにより、共同プロジェクトに取り組むための活動が始まった。近い将来に協力を深めていくため、まず最初の支援として、学校の男女子供たちの遠足と農場施設への訪問が行われた。

アグロスーパーについては、総務・持続可能性部長のラファエル・プリエトが、「当初から私たちは、私たちの周辺地域の発展に寄与するため、透明で直接的な対話に基づく信頼関係を構築し、近隣社会と永続的な絆を創り出すようにしてきました。この目的を達成するため、4つの柱となる活動の下、様々な関係構築プログラムを実施してきました。つまり、起業、地元発展、健康的な生活、そして、教育です。直近の年には、当社の様々なプログラムの実施により、生産施設が立地する地域住民33万人以上に利益をもたらすことができました」と強調した。

アグロスーパーの特筆すべきイニシアチブとして、“活動的になろう”プログラムがある。それは、健康の専門家が行うワークショップを開催し、住民にセルフケアを行うツールを提供することにより、高齢者の身体的・精神的活動を奨励しようというものだ。また、“起業資金”プログラムもある。それは、同社が操業している地域で起業家たちの能力を高めることを目的とし、3年間、研修やメンタリング、資金の提供を通じて、地元の起業家のビジネスを奨励し、強化することを目指している。

一方、マックスアグロでは、持続可能性に焦点を当てることと、同社のDNAの中にある地元社会との関りを強調している。同社は、シモン・デ・シレネ社のサポートで実施される3つのプログラムからなる“マックス・コミュニティ”を行っている。「マックス・コミュニティには、“起業促進”プログラムがあり、小規模起業家のビジネスを強化するための経営管理ツールを提供しています。2022年には、41のそうした起業家を支援し、今年は新たに、オイギンスとニュブレ地方の46の起業家への支援を行っています。2つ目のプログラムは、“コミュニティ・リーダー・スクール”で、実用的なワークショップを通して、社会団体のリーダーの能力を高めるもので、現在、この同じ地域の35名にプログラムを実施しています。最後に、“地元持続可能性促進”プログラムで、地元住民自身によってその必要性が提起された地域社会支援プログラムの実施です。昨年は、マルチスポーツコートの建設、様々な地区にソーラー・イルミネーションの設置、いろんな地域会合スペースへの備品の整備などが行われました」と、マックスアグロのゼネラル・マネージャー、パブロ・エスピノサは述べている。

また、アグリコラ・アーサは、サン・エステバン市に生物多様性のスペースを創り、地元社会と特別なつながりを生み出している。2022年9月に、行政当局とサン・エステバン教育コミュニティ出席の下、アグリコラ・アーサは、アグアス・クララス養豚場内に生物多様性保護区を設置する開設式を行った。このプロジェクトでは、同市の野生動植物の広がりを促すため、4,000㎡以上にわたって“ボルド”、“キジャジェ”、“ペウモ”といった地元の木の植樹を行った。「アグリコラ・アーサにとって、地域社会とのつながりは、単に重要であるとか、忘れることはできないといったことだけではありません。我々の業務を構成する一部なのです。なぜなら、企業も地域社会の一部だからです。つまり、地域社会を構成する各セクターにおいては、一住民なのです。従って、住民である企業として、文化的、社会的変革を生み出し、地域社会を構成する各セクターの発展に責任を負っているのです」と、アーサの管理・企画部長アレハンドロ・ゲバウエルは述べた。

これらが、豚肉生産・輸出企業が行っているいくつかの例である。これに加え、コンシャス・オリジン・チリ・プログラムにも参加している。これは、同産業のサステナブルな実践を促すものである。プログラムの基準の中で、地域社会とのつながりを含む社会面は、認証を受けるために必要な項目の27%を占め、環境面に次いで2番目に重要とされている。この社会面の中で最も重要な側面の一つは、地域社会とのつながりであり、豚・家禽生産企業は、認証を受けるためにこれを履行しなければならない。この必要条件には、こうした企業の操業の影響が及ぶ地域に立地している地域社会の特定や、確固たる“(施設やその周辺を含む)地域社会連携計画”の実施が含まれる。同計画には、徹底的な診断と提案された方策を実施するための資金の割り当てが含まれなければならない。このようにして、調和のとれた、相互にメリットのある関係構築を目指している。

豚肉生産・輸出企業が社会的側面を取り入れていることは、地元社会とのバランスのとれた建設的な関係を築こうとする同産業のコミットメントを表している。持続可能性は環境面だけではなく、人々との絆を強め、現実的で測定可能なメリットを生み出すプロジェクトを促すことを目指すものであることを認識しているのである。

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