チリとアルゼンチンの豚肉産業代表団が、デンマーク産業のイノベーションについて理解を深めるため、デンマークを訪問した

2023年9月30日

豚肉産業を強化し、世界の優れた実践について学ぶ取り組みの一つとして、チリとアルゼンチンの生産者、サプライヤー、専門家やコンサルタントからなる代表団が、8月26日から9月2日にかけて、“エランコ・チーム”プログラムの一環で […]

豚肉産業を強化し、世界の優れた実践について学ぶ取り組みの一つとして、チリとアルゼンチンの生産者、サプライヤー、専門家やコンサルタントからなる代表団が、826日から92日にかけて、“エランコ・チーム”プログラムの一環でデンマークを訪問した。

 

世界的に重要な豚肉生産・輸出国として知られるデンマークは、国土に制約のある中で操業している。しかしながら、産業と地域社会との調和のとれた共存を可能にする進んだ技術と規則により、注目すべき国としてその地位を確かなものとしている。

生産密度は、あまりにも対照的だ。チリが1平方キロあたり約29頭を飼養している一方、デンマークは、1平方キロあたりほぼ300頭である。技術やサステナビリティにおいて類似性があるにもかかわらず、デンマークの国土利用計画が違いを生んでいる。

世界の様々な国でチリ産豚肉の業界ブランドとして知られるチリポークを代表する協会チリカルネのビジネス部長ロドリゴ・カスタニョンは、このミッションに参加した一人である。「デンマーク訪問でもっとも重要なことは、2つの点に集約できるでしょう。一つは、チリの国内生産に組み入れることのできるだろう一連の取り組みを知ることができました。チリでは、およそ生産の70%が先進技術を利用している一方、デンマークでは、農場から処理・加工まで人口知能(AI)に基づく取り組みを行っています。それは私たちも取り入れることができるでしょう。もう一つは、国土利用計画、および、デンマークが規則によっていかに豚肉産業の存続を可能にしているのかというテーマです」とコメントした。

適切な国土利用計画は、利用可能なスペースを最大限活用し、生産に影響を及ぼす地理的・環境的要因を考慮しながら、豚肉産業の戦略的な配置を可能にする。正しい農場の立地は、居住地域や保護区域、その他の用途地域とのトラブルを避けることができる。その点に関し、適切な利用計画は、廃棄物の管理や川の保全、生物多様性の保護など、農場の環境に及ぼす影響を考慮に入れている。チリの豚肉産業が成長を続け、世界的に競争力を持つためには、長期的な開発計画が必要で、そこでは、国土利用計画が、持続可能な形で産業の拡大を図るのに要のツールとなる。

デンマークへのミッションでは、幅広いテーマに焦点があてられた。豚肉産業の枠を超え、代表団が様々な分野でのイノベーションを知ることができるようにされたのである。メインイベントの一つは、主にデンマークの豚肉業界により資金提供されたイノベーション・ピッグ・リサーチ・センターSEGESへの訪問である。そこでは、現在の課題やラテンアメリカにとって学びとなるような内容について話し合われた。

EUにおける抗生剤処方のテーマは、チリの農業牧畜庁(SAG)による分析中だが、SEGESおよびその他施設への訪問で議論された。さらに、サステナビリティや動物福祉に関するテーマも取り上げられた。「今回の訪問で扱われた別の重要なテーマは、2022年以降、ヨーロッパで治療目的による亜鉛の使用を禁止したことについてです。これは、他の国々で議論が進んでいるテーマです。私たちは、チリの産業として準備をするため、ヨーロッパが用いた経験や解決策を知りたかったのです」と、ロドリゴ・カスタニョンはコメントした。

豚肉産業において、酸化亜鉛は、離乳後の子豚に共通する病気の離乳後下痢を予防するため、治療目的により、子豚の飼料に添加して使われてきた。酸化亜鉛の多量の服用に関連した懸念の一つは、環境への影響である。亜鉛は、家畜によって排泄されると、土壌に蓄積する可能性があり、時間の経過と共に、土壌や地下水を汚染し、環境に有害な結果をもたらし得る。環境への懸念、および、場合によっては、薬剤耐性への懸念から、EUは、2022年以降、豚の飼料への治療目的による酸化亜鉛の使用禁止を決定した。

また、代表団は、牧畜産業に適用しうる技術的ソリューションのサプライヤーとも面談し、衛生検査でAIを活用する企業など、その他の分野の企業のイノベーションについても知識を深めた。

今回のイニシアティブは、好ましい成果を挙げて終了した。「チリポークとして、エランコによって推進されたこの種のイニシアティブの重要性を認識しています。豚肉生産における世界的リーダーとの技術移転を促すこうした努力は、私たちの産業を常にアップデートし続けるのに不可欠です」とロドリゴ・カスタニョンは述べた。

Compartir