農作物への家畜の糞尿やグアノの利用は、世界的な肥料不足に立ち向かう確かな代替手段として台頭している。

2022年6月18日

この分野での豚肉・鶏肉・七面鳥肉産業の努力を認め、エステバン・バレンスエラ農業大臣が、ラス・カブラス市でのバイオ肥料授与式に参加した。これは、Indap(農牧畜開発庁)のProdesal(地方開発プログラム)と連携してア […]

この分野での豚肉・鶏肉・七面鳥肉産業の努力を認め、エステバン・バレンスエラ農業大臣が、ラス・カブラス市でのバイオ肥料授与式に参加した。これは、Indap(農牧畜開発庁)のProdesal(地方開発プログラム)と連携してアグロスーパーが展開しているサーキュラーエコノミープログラム(PADEC)の一環として行われた。PADECは、これまで1,500人を越える農業生産者に恩恵をもたらしている。全般的には、ホワイトミート産業は、この種の実践により、1万人以上の農業生産者に利益をもたらし、その中でおよそ1,800人が小規模農業者である。

 

ウクライナとロシアの間の紛争による肥料価格の高騰と肥料の減少により、世界中の農業生産者がその利用、および(または)、耕作地の削減を強いられることになった。食料不足の脅威が迫る危機の中で、グアノ、生物的安定(MBT)有機資材、家畜の糞尿、消化液(発酵残渣)が、より良い価格と高品質を確保しながら、生産の維持を可能にする効果的な代替手段として台頭している。

 

さらに、有機肥料の適切な運用を図ることにより、サーキュラーエコノミーの発展に協力しながら、化学肥料の使用を大幅に削減することができる。

 

チリにおいては、養豚・養鶏企業は、すでに数年前から、施肥灌漑を中心にこうしたサーキュラーエコノミーの方策を進めている。施肥灌漑というのは、施用計画に従い、豚の糞尿や消化液を灌水と一緒に使用し、その混合物を肥料として利用するものである。生物的安定(MBT)有機資材やグアノのような、より固形の資材は、土地や作物への肥料として利用される。いずれの場合も利点は、土壌の性質や構成を改良するために鍵となる窒素、リン、カリウム、マグネシウム、カルシウムおよび有機物といったマクロおよびミクロ栄養素を土壌に与えられるということである。

 

こうした取り組みを評価し、エステバン・バレンスエラ農業大臣は、バイオ肥料の授与式に参加した。これは、IndapのProdesalと連携してアグロスーパーが展開しているサーキュラーエコノミープログラム(PADEC)の一環として行われるものである。バレンスエラ農業大臣は、チリカルネ、アグロスーパー、ならびに、ラス・カブラス市の代表者と共に、ある女性の農業生産者を訪問し、「これは、ホワイトミート産業から3,600以上の家族へバイオ肥料を提供するという、アグロスーパーとIndapの共同事業として行われています。(中略)さあ、種をまきましょう。チリは、食料安全保障のため、かつてないほど、農家にこのサーキュラーエコノミー支援プログラムに参加し、農業に励むことを求めています」と強調した。

チリカルネ会長のフアン・カルロス・ドミンゲスは、「私たちは、すでに5年以上前から、肥料という極めて基本的な物を近隣の地域社会に提供してきたアグロスーパーの努力を称えたいと思います。特に肥料の価格が手の届かないほどに高騰している戦争とパンデミックの状況ではなおさらです。農業生産者にとって、こうした価格状況により、再び種をまき、生産をするのが非常に難しくなっています」と述べた。

 

一方、アグロスーパー企業総務・サステナビリティ部長のラファエル・プリエトは、「私たちはこのプログラムに限りなく満足しています。私たちの施設周辺に位置する近隣の地域社会に貢献する方法です。本当に、これは素晴らしいプロジェクトです。2015年にラ・エストレージャ市の11人に対するところから始まり、今年は、3,000人以上に届けられるよう期待しています」と述べた。

 

チリの養鶏・養豚産業は、年間、130万㎥のグアノと生物的安定(MBT)有機資材、また、1,200万㎥近くの糞尿を産出し、主に、肥料や有機土壌改良剤として農業で役立てられている。この種の実践により、合計、9万1,800ha近く、1万人以上の農業生産者が恩恵を受けており、その中で約1,800人が、SIRSD-SAGの恩恵をうける小規模農業者である。

 

特にサーキュラーエコノミープログラム(PADEC)については、IndapのProdesalと連携してアグロスーパーが展開しているもので、疲弊した土壌の地力や農場の生産条件を改善するため、ラス・カブラス、ラ・エストレージャ、サン・ペドロ(首都州)の農業生産者や農業企業家に肥料を授与するものである。このイニシアチブは、2015年から始まり、現在までに1,500人以上の農業生産者が恩恵を受けている。

 

現在、チリの養豚産業によって産出される糞尿の100%が施肥灌漑に利用され、独自の畑および近隣地域や牧畜農場に隣接する畑の農業生産者に配布されている。

 

肥料に影響を及ぼす国際情勢

 

動物性副産物は、炭化資材であり、肥料として使われる際、主たる役割は、主に窒素、リン、カリウムといった栄養素を土壌に与えることで、化学肥料の非常に有効な代替品として利用することができる。

 

2021年、ラボバンクのデータによると、ロシアとベラルーシは、世界のカリ輸出の40%以上を占めている。さらに、ロシアは、世界のアンモニア輸出の22%近く、尿素の14%、第一リン酸アンモニウムの14%近くを占めており、いずれも重要な肥料である。

 

一方、ロシアとウクライナは、穀物の生産大国である。両国併せて、世界の小麦輸出のおよそ30%、ドウモロコシの20%を占めており、主に黒海を通じて輸出されているが、現在は中断している。これら2ヵ国からの供給が停止していることにより、世界の食料のギャロッピング・インフレを招いている。

 

上述のデータは、両国間の紛争が世界に与えているインパクトの大きさ、そして、このことがいかに様々な食品の生産コストに悪影響を与えているかを物語るものである。これにより、世界各国は既に、従来の肥料に替わるものとして、上記で指摘したような有機肥料の使用を選択しているのである。

 

フランスでは、ジュリアン・ドノルマンディー農業大臣が、3月末に、ウクライナ戦争の結果として、農業分野を支援する対策プランを発表した。対策の一つが、ロシアの尿素に依存する必要がないよう、国内の農業生産者が窒素を優先的に取得できるようにすることである。フランスのイニシアチブは、緑肥の生産と有機肥料のバリューチェーンの発展を促すことを目指している。こうした方針に沿って、フランス全国豚専門職間連携団体(Inaporc)は既に、農作物の肥料のため、窒素を豊富に含む未処理の糞尿の回収を要請している。

 

一方スペインでは、農業生産者が政府に、化学肥料価格の急激な上昇に対し、有機肥料として役立てるため、耕作地への動物性副産物の利用を<推進するよう>要請した。小規模農業生産者組合(UPA)は、「重要な節約であり、副産物を再利用する方法である」と強調して、こうした肥料のサーキュラーエコノミーやサステナビリティについて高く評価している。

 

戦争、および、家畜や食料全般の生産業向け資材の供給国としてのロシアやウクライナの重要性に対して専門家たちは、生産や輸送、禁輸といった現在の状況に影響する数多くの要因を考慮に入れながら、計画を立て、そうした生産に従来利用されていた資材への代替品を見つけるよう呼びかけている。

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